ベスタまたはヴェスタ (4 Vesta) は、将来的に準惑星に分類される可能性がある太陽系の小惑星の一つ。1807年3月29日にドイツのブレーメンでハインリヒ・オルバースによって発見され、古代ローマの女神ウェスタにちなんで名付けられた。命名者はカール・フリードリヒ・ガウス。
ベスタの直径は468 - 530kmと小惑星帯では3番目の大きさで、四大小惑星の一つに数えられる。ベスタの表面は他の小惑星に比べて格段に明るく、条件さえそろえば小惑星の中では唯一、肉眼で見ることができる。またケレスなどと共にハッブル宇宙望遠鏡とケック望遠鏡により詳細な観測がされている。
ベスタと他の小惑星を分ける特徴の一つとして、内部が分化している(地球のような層状構造を持つ)点が挙げられる。中心部には鉄とニッケルからなる核があり、その外側にカンラン石からなるマントルを持つ。表面は溶岩流に起因する玄武岩からなり、かつて小規模ながら火山活動が存在したと考えられている。これらの特徴は太陽系の歴史の初期において、ベスタ内部が相当の熱量により融解していたためであると考えられる。