ロゼッタの探査の準備として、2003年3月12日にハッブル宇宙望遠鏡 (HST) が撮影したチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の写真が、詳しく分析された。核の全周3-Dモデルが作られ、様々な角度からのCGが描かれた。2014年7月14日には、ロゼッタが1万4,000kmの地点から撮影した写真が公開された。
この彗星は2つの彗星がゆっくりとぶつかってそのまま結合したような2重の構造を持つ奇妙な形状であることが分かった。また20分間隔で撮影した画像を組み合わせて動画にし自転の様子も分かるようになった。核の大きさは、小さな側が 2.5 x 2.5 x 2.0 km、大きな側が 4.1 x 3.2 x 1.3 km、核全体の質量は1013 kgで、約12.4時間に1回の周期で自転している。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の軌道は一定していない。かつてこの彗星は、近日点距離が4.0 AUの太陽から遠い軌道を回っていて全く観測できなかった。1840年にこの彗星は木星へ接近し、近日点距離は3.0 AUまで縮んだ。1959年にまた木星に接近し、近日点距離が1.28 AUになり現在に至っている。