サンゴ礁の外側は急に深くなっており、波も高い。外礁に囲まれた礁池や礁湖は、外礁が激しい波浪を止める天然の防波堤となるため波が穏やかである。サンゴのすき間は小さな生物の隠れ場所に都合がよく、それらを捕食する大型動物も集まってくる。さらに礁池の内外には砂浜やアマモ場もできるので、これらも含めるとサンゴ礁には実に多様な環境が作られ、多くの生物が生息する。サンゴ礁は生物多様性の観点からも重要な場所と言える。
サンゴ礁付近の岩礁海岸や砂浜は石灰分を多く含むので、石灰分の多い土壌に適応した特有の植物が自生する。草本ではイソフサギやクサトベラ、ハママンネングサなど、木本ではオオハマボウやアコウなどが挙げられる。これらの木陰にはオカヤドカリやヤシガニなどの動物が生息する。なお、岩のすき間はウミヘビ類のねぐらや産卵場所となる。
砂浜ではハマヒルガオやグンバイヒルガオ、コウライシバなどが自生し、植物が生えない波打ち際付近にはミナミスナガニやツノメガニなどのスナガニ類が生息する。砂浜は、ウミガメ類の産卵場所となる。