扇子とは、うちわと同じく自分の手で風を送るのに用いる道具。古くは扇(おうぎ)と呼ばれていた。
数本から数十本の細長い竹や木で出来た骨を束ねて端の一点(要=かなめ)で固定し、使わないときは折り畳み使用時に展開する。骨には大抵和紙が貼られており、展開すると紙を貼られた部分が雁木形の扇面となる。折り畳むことでコンパクトに納める。開閉の方法は、骨を右手親指でずらすように押すことで開く。一般的には右利き用であるが、左利き用も販売されている。扇子そのものを振ることで開く方法もある。
扇子を開く角度は、大体90度から180度の間で円を三等分した中心角120度前後のものが主流である。扇子を開いた形は、「扇形」と言い、幾何学の用語にもなっている。このような扇子の形状は、「末広がり」に通ずるので縁起のよいものとされてきた。そのため、めでたい席での引出物としても用いられている。