日本通運㈱ねぶた実行委員会・ねぶた師 柳谷 優浩
日本武尊が駿河の国に出征したときのことである。この国の賊達は日本武尊に従う様子を見せて、だまし討ちを考えていた。賊達は尊を広い野原に連れ出し、「この野原の真ん中に沼があります。そこにすむ神は、非常に乱暴者です。あなたの力で沼の神を退治し安心して暮らせるようにしてください」と嘘を言った。尊が沼を進んでいくと誰もいなくなり、火の手があがり、熱さと煙でもうだめかというところを、この剣により草を刈り、火をつけ、その火は霊験の炎となり危機を脱し、その後、尊は見事に東征を成し遂げた。この出来事から天叢雲剣は、草薙の剣と呼ばれ、困難を打ち砕く道具といわれている。ねぶたは、困難に立ち向かいながらも、知恵をしぼりながら、苦難を乗り越える様をあらわしたものである。
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