
「APPLE」の椎名林檎さんもパッとタイトルが浮かんで、その瞬間に「あ、これは林檎ちゃんだ」とピンときて。そのときはまだ会ったこともなかったんだけど。
音楽家というのは、ある種フューチャリスティックな職業であって、占い師的なところがないとダメだと思うのね。いろんな偶然や必然というのを磁気ディスクに定着させていくのが面白いわけで、やるからには今までに鳴っていないものを作らなきゃと思うしね。
音楽を作ってて、たまに涙が出そうになる瞬間というのがあって、それは理屈じゃ説明できないものなんだけど、特に「APPLE」はその感情が強かった。すごく気に入ってるトラックですね。
この曲は椎名林檎さんのアルバムでも、テイさんのこれまでの作品でも聴けなかった曲だと思います。序盤は甘いウイスパーから始まって、後半に向けて、椎名林檎さん特有の熱や毒というのがにじみ出してくる構成にも引き込まれましたね。
最初にサラッと歌ってもらったときに「アダムだけじゃない」という歌詞の「ダ」の濁りかただけが気になったので、なんなら「アダム」じゃなく「あなた」でもいいですよって提案したら、「歌の意味が変わっちゃうから駄目です」って、一生懸命発音を試してくれて。林檎さんには感謝してますね。
TOWA TEI「LUCKY」インタビューより一部抜粋

APPLEと言えば林檎、リンゴと言えば生産地の青森県弘前市、弘前市と言えば弘前城の桜と言うことで、明日から弘前さくらまつりの特集を致します。