「ラウンド・ミッドナイト」 ('Round Midnight) は、1944年に発表された、ピアニストのセロニアス・モンク作曲のジャズのスタンダード・ナンバー。この曲は、クーティ・ウィリアムス、ディジー・ガレスピー、アート・ペッパー、マイルス・デイヴィスなどが取り上げて磨きをかけ、ソングライターのバーニー・ハニゲンはこの曲に歌詞を載せた。ウィリアムスとハニゲンは、この曲の共作者としてクレジットされている。
モンクがこの曲の原型を作曲したのは、1940年か1941年であったと考えられている。しかし、ハリー・コロンビー (Harry Colomby) は、モンクはさらに早く、19歳だった1936年に「グランド・フィナーレ (Grand Finale)」という曲名で、最初の原型を書いた可能性があるという説を述べている。
1986年、この曲は、ベテランのサックス奏者デクスター・ゴードンが主演した、パリに住むアメリカ人ジャズ・ュージシャンを主人公にしたフィクションの映画『ラウンド・ミッドナイト (Round Midnight)』のタイトル曲として使用された。ハービー・ハンコックによるこの映画のサウンドトラック・アルバム『ラウンド・ミッドナイト (Round Midnight)』は、この曲を中心に多数のジャズ・スタンダード曲を取り上げ、これにハンコックのオリジナル曲数曲を収録している。
このサウンドトラック盤には、ボビー・マクファーリンによる、サックスの音色を模したスキャットをフィーチャーした、ハービー・ハンコック(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)、トニー・ウィリアムス(ドラム)による「ラウンド・ミッドナイト」が冒頭のトラックに収められている。