青森のリンゴ農家が農場で使う作業車・通称「バゲ」が現在、ネットで注目を集めている。
「バゲ」は軽トラックの屋根を取り除いたオープンカーで、リンゴ農園内の移動や運搬などに使われる。青森でも利用するリンゴ農家は津軽地方が中心で、現在の軽トラックを使うタイプが普及し始めたのは1980年代後半といわれる。「バケ」と呼ばれる由来は諸説あるが、「廃車になって登録が抹消されている車なのに園地では存在していること」から「おばけ(略して「バゲ」)」と呼ばれるようになった説が有力とされる。
話題を集めた発端は、ちかげの林檎園を経営する石岡千景さんのツイッターアカウント「Fりんご農家」が6月6日に「新車来た。うれしい」と「バゲ」の写真と共に投稿したことから。6月8日19時現在、2.5万リツイートと11万のいいねが寄せられている。
石岡さんによると、所有していた「バゲ」の調子が今年4月あたりから悪くなり、エンジンがかかりにくくなっていたという。友人農家にお願いし、新しいバゲを手配してもらったという。石岡さんは「届いたバゲはエンジンがすぐにかかり、新車のような使用感があり、うれしくなってツイートした」と笑顔を見せる。
多くの反応の中にはバゲを知らない人も多く、石岡さんはバゲについて補足するツイートを追加。農園内を乗車する動画やせん定で木の高さが抑えられたリンゴの木の間を移動するために軽トラックの屋根を取り除いたなどと説明したところ、そのツイートに対しても3000以上のリツイートや1万近くのいいねが寄せられていた。
石岡さんは「フォロワー数400人から1000人以上も増え、リンゴ農家の知られていない生活に関心を持ってもらったことが何よりうれしい。リンゴの魅力を今後も発信していきたい」と話す。「バズると宣伝していいというネットの習慣を利用し、弟の描く漫画『ふらいんぐうぃっち』の宣伝させてもらい大満足。」