弘前公園の東側に隣接し、現在は共学となったが、長い間女子校として知られた弘前中央高校の創立50周年記念事業として建築された。前川への依頼は、木村産業研究所の木村隆三の兄、木村新吾がPTA会長をしていたことがきっかけとなる。
校門を入ると、その軸線上に建物の正面が配置されている。全面がスチールサッシのガラス張りの正面からは、中のホワイエを見通すことが出来る。ホワイエは2階座席の階段状の構造がそのまま天井面に露出しており、白い壁と階段の手すりの黒のコントラストが、シャープな美しさをみせている。両側面は傾斜する大きなガラス面で、ホール全体に外からの光が溢れんばかりに差し込む。
館内には、微妙なカーブを持った折りたたみ式の座席が緩やかなスロープで舞台まで続く。白を基調とする内部やフレンチブルーに塗られた鋼板の外壁、軒裏の赤色など随所に色彩的工夫がなされている。座席は2階も含め、806席。
講堂の椅子はスプリングが効いていて座り心地は良さそうでしたが、床がコンクリートになっているのでとても寒そうです。外壁のサッシや椅子なども、一般的なものとは違ってちゃんとデザインされていて格好良かったです。椅子の番号が123~ではなく、いろはにほへと~になっていたのは珍しかったです。