ダシール・ハメット & ポップコーンは、曲頭に銃声と女の悲鳴の効果音が入る。ヘタにこういうことをするとあざとくなるが、そうならないのは音楽がしっかりしている証からだろう。
ここで言う「あざとい」は、その人物によるファンの嗜好を見透かしたような言動・行動が、見透かされていることを自覚しているファンの心を的確に捕えて、萌えた感情を強く喚起させ好意的に受け入れられる状態のこと。
ダシール・ハメット & ポップコーンは、1989年4月8日に初版がリリースされたオリジナル・アルバム『天睛』のB面にある曲だが、25年以上経った今でもまるで古さを感じさせない実に洗練された作品である。
サディスティック・ミカ・バンドの二代目ボーカルになった桐島かれんの歌唱力も去ることながら、作詞:安井かずみ、作曲:加藤和彦の夫婦がタッグを組んで作品に華麗な幅を利かしているのも見ものである。