青の洞窟(Grotta Azzurra)はイタリア南部・カプリ島にある海食洞であり、観光名所である。カプリ島の周囲の多くは断崖絶壁で、そこには海食洞が散在している。「青の洞窟」は、そのうちのひとつ。
この洞窟には、洞窟のある入り江から手漕ぎの小船に乗って入って行くことができる。入り口は狭く、半ば水中に埋もれている。船頭は入り口に張られた鎖を引いて小船を洞窟内へと進めるが、その際に乗客は頭と体を船底に沈めることが必要となる。天候や波の状態により、進入不可能である場合もあり、2002年のデータによれば入れる確率は12月は7%、6月は87%などとなっている。
主に石灰岩で構成される洞窟内側に入ると奥行き54m高さ15mの空間が広がり、水中に伸びている穴を通して水面から洞窟全体が紺碧の光を帯びて神秘的な雰囲気を持つ。海面がきれいな青に輝くのは午前中の傾斜角が良く、観光客も集中する。
青の洞窟からはポセイドンやトリトンの彫像が発見され、ローマ帝国の皇帝が個人的な水泳用のプールや入浴に使用していたと考えられている。また、かつては地上から洞窟へ至る人工的な地下通路があったかもしれないと考えられている。