何とか減っていた腹も満たされたので、早めに100円バスの停留所に行く。既に待っていた人々がいたが、席には座れる程度の人数だった。土日は遅くまで100円バスも営業しているが、最終バスの一本前と際どいタイミングだった。
弘前市内のあちこちをクネクネ曲がる複雑なルートを通り、バスは市役所前に着いた。そこから弘前公園メインの入り口である追手門は目の前にある。もうそこから見た景色が素晴らしく、満開なのに堀に桜が散っていなかった。水面に映る夜桜・・・銀塩FILMで撮ったので予算の関係から未だに現像していないが、それはそれは素晴らしい光景だった。
あれほどまで見慣れた風景が今宵は、一段と映えるような夜桜だった。M氏の情報によると、桜の花の集まりがちょうどボンボリの形にまとまっていて近年にない素晴らしさと言うことだった。こんなボンボリの塊のような夜桜は、これまで見たことがない。
弘前公園のルートは頭に入っているので、追手門から辰巳櫓を桜の枝葉越しに撮影した。露店を傍らに見ながら杉の大橋を通って南内門へ入る。追手門から杉の大橋までが三の丸。南内門から天守閣手前の下条橋までが二の丸。天守閣を巡る堀の内側が弘前城の本丸になる。本丸も夜9時から無料開放されるので、南口券売所の手前で待った。その時に携帯で撮ったのが下の写真である。桜が散っていない満開の本丸はとても美しかった。酒に酔っている弘前大学の学生はいなかったが、なぜか早稲田大学の校歌が流れてきた。早大生も弘前に来る時代なのか…東門を出て外堀の夜桜を撮影しながら実家に帰った。