気づくと、もとの団地にいる
だが、どこか違う
木々が荒々しく、建物はひどく汚れている
建てられてまだ5年のはずなのに、まるで何十年以上も経ったようだ
砂場がなく、5mほどの高さのパラボラアンテナのようなものをつけた建物があった
それに、団地には人っ子ひとりいない
由美子の手を離して、逃げようとするとエレベーターがない
自分の家のドアを開けると、家の中はからっぽだった
「だれだね? 由美子か?」
由美子と同じような衣装をまとった青年がぎょっとして立っていた武器のようなものを振り上げたので、克雄は逃げた