竜飛定点は、青森県東津軽郡外ヶ浜町字三厩龍浜にあるJR北海道の施設。海峡線青函トンネル内の海底部の区間に存在する。1988年3月13日の青函トンネル開業時に竜飛海底駅として設置され、見学整理券を持った見学客のみが乗降できる特殊な駅として機能していた。
青函トンネルの青森県側の定点として、非常時の旅客避難所および保線基地、トンネルの維持に必要な各種機械類の設置を目的として設置された。吉岡海底駅(吉岡定点)とともに、青函トンネル内に設置された駅の一つであったが、一般的な意味での「駅」ではなく、海底駅見学整理券を持った見学者以外の一般旅客の利用はできなかった。非常時と係員以外、地上への出入りも不可能であった。
北海道新幹線の工事に伴い、見学者向けの停車および見学コースの営業は2013年11月10日をもって取りやめられることになり、最後の土日となる11月9日・10日には函館支社によるツアーが企画された。2014年3月14日をもって、正式に廃止された。駅が廃止された後も、緊急時のために避難設備は残されている。廃止されるまでは、海面下149.5mの日本一低い位置にある鉄道駅であった。
相対式2面2線ホームを持つ地下駅であり、列車の退避などはできなかった。
本線に設置されていたプラットホームは在来線規格で、幅は84cmと非常に狭い。これは、避難用に新幹線規格の状態で設置された従来のホームと在来線列車との間には隙間があり、在来線列車とホームの間で転落する危険があるとの判断から、海底駅見学開始時に運輸省からの指導によってそれらを埋めるために設置されたものである。駅の廃止後は新幹線車両の通過に支障を来すため、撤去される。