「ペッパー警部」は、1976年8月にリリースされた日本のアイドルグループ・ピンク・レディーのデビュー・シングル。
作詞した阿久悠は、ピンク・レディーは8月25日にデビューするような、あまり期待されていない新人であったために作曲の都倉俊一と共に自由に創作できて幸運だったと述べている。
当初はレコード会社側の意向でB面に収録されている「乾杯お嬢さん」の方がA面になる予定だったが、阿久と都倉は「これではキャンディーズと何ら変わりがない」と批判し本曲がA面として採用された。
レコードでの歌唱にはなかったが、実演の際には曲の最後に「ペッパー警部よ」というセリフをつけるのが定番であった。ミニスカートで股を開く土居甫の振り付けに対して、下品であるなどの声も上がった。
この曲が発売された頃、ロッキード事件が世間を賑わしていたため、政治家の逮捕劇を想定して書いたのかと阿久はよく聞かれたが、実際は突然ひらめいたのであり、その根拠には『ピンクパンサー』のクルーゾ警部、1950年代の曽根史朗のヒット曲「若いお巡りさん」、落語の『くしゃみ講釈』、当時売れていた清涼飲料水(恐らく「ドクターペッパー」)、ビートルズの大ヒットアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』などが含まれていると自己分析している。