M103 (NGC581) は、カシオペヤ座にある散開星団である。距離8000光年。1781年にメシャンが発見した。メシエ自身の手で編纂されたメシエカタログはこのM103までであった。1783年に出版されたカタログには当初M100までをまとめる予定であったが、出版までの間に発見されたM101~M103を急遽カタログに追加した。
散開星団に分類されているが、偶然同じ方向に星が集まっているのではないかとする説もある。6個の10等星、11~12等級は25個ある
双眼鏡で存在が明らかとなるが数個の星が微かにわかる程度である。口径8cmの望遠鏡で星雲状に見えてくる。微星を見るには最低口径10cmの望遠鏡を必要とする。10cm屈折でマラスは「壮観。矢の頭のようだ」と表現している。赤色星とΣ131を結ぶ線が矢の頭をつくっているように見える。右の写真では赤色星は写真の上の方にある星で(あまり赤く写っていない)、Σ131はさらのその上にある。
M103の周辺には同じような星の集まりが多数あり、しっかり位置を確認していないと間違いやすい。δとεの間に多数の散開星団があり、特に最大の星団であるNGC663は光度もあり星数も多く、M103よりも星団らしい星団である。こちらは双眼鏡でも容易に観測でき、メシエ天体を紹介した書籍やポスターなどでも、よく間違えて記載される。