金森赤レンガ倉庫は、北海道函館市にある赤レンガ倉庫群の名称。金森商船株式会社が管理・運営を行う。金森商船は、大分県出身の実業家、初代渡邉熊四郎が明治時代に開業した「金森洋物店」が起源である。
現在はショッピングモールやビアホール・レストランが入居する、函館の観光名所となっている。この地域一帯は重要伝統的建造物群保存地区、街並みは北海道遺産に選定されている。 所在地は北海道函館市末広町14番12号。
現在倉庫群が位置しているのは、幕末に造船所や外人居留地があった埋立地である。この地は「地蔵町築島」と呼ばれ、明治時代以降は「船場町」という名に改称された。
1863年(文久3年)に大分県出身の初代渡邉熊四郎が長崎県から箱館に渡り、1869年(明治2年)、大町に金森森屋洋物店を開業した。これが現在の赤レンガ倉庫の起源となる。背景として、同年に榎本武揚らが率いた旧幕府軍が洋装の官軍に次々と倒されるのを見て洋服の時代を確信したことがあったとされる。函館市内に開拓使出張所が設置された経緯がある。
洋物店開業の際、屋号を森屋とした。現在もレンガ建物に描かれている、「曲尺(かねじゃく)」(“金”にも掛けている)に「森」の字のトレードマークは、この開業の時の商標である。曲尺の記号には律義でまっすぐという意味があり、商売に駆け引きは不要としていた初代らしい屋号である。