■『ねらわれた学園』眉村卓/著(角川文庫)
眉村卓/著 カバー写真/小島由紀夫 さし絵/谷俊彦(昭和51年初版)
もし、人や物を自由に動かすことができたら――誰しもが夢みる超能力。
しかしそれが普通の人間に与えられていないことがどんなに幸福なことかは意外に知られていない……。
ある日、おとなしかったはずの少女が突然、生徒会の会長選挙に立候補、鮮やかに当選してしまった。
だが会長になった彼女は、魅惑の微笑と恐怖の超能力で学校を支配しはじめた。
美しい顔に隠された彼女の真の正体は? 彼女の持つ謎の超能力とは?
「ねらわれた学園」に関しては、独裁者がいかに周囲を統制していくかの恐怖。
第二次世界大戦を知る世代の父は、直接セリフにはないが、暗にそれを示唆している。
対して母親は「そんなバカなこと」と全然間に受けない平凡な主婦に描かれているのがひっかかる。
映画では、ひろ子ちゃん演じる女の子も超能力を使う。
小説でも、和美は「なんとなく、そんな気がする 勘だけどね」と何度も言う。
みんな「第六感」や「虫のしらせ」など、未来を予測したりする力が元々あると思う。