$ 0 0 (2) 稚内の観測地へ 地上から見上げると、北へ行くにつれて雲が薄くなるのが分かる。期待に胸を膨らませ、列車は稚内に向かう。その頃、関東隊は飛行機で北海道上空を移動していた。稚内到着が午前中なので、列車よりも早く着ける。やがて列車は稚内駅へ。関東隊で鉄道ファンであるTさんの顔が見えた。到着前の特急を撮ってから観測地まで送ってくださった。ノシャップ岬に着いたのは13:40。着いた途端、携帯電話が鳴った。群馬からの電話だが、そちらは全滅とのことで稚内は快晴だと伝えた。第一接触まで間もないので皆様へ挨拶もそこそこに慌てて機材の設置に取り掛かる。 観測地ノシャップ岬(マサ様提供) 心の準備が出来ないままやってきたので、太陽の方角もなかなか合わない。とうとう金星が太陽に潜入してしまったのだが、相変わらず太陽すら導入出来ずに緊張はピークに達していた。皆既日食の場合は、部分日食から始まるから前半部分は比較的落ち着いて観測できる。ところが金星が潜入するところはある意味クライマックスだから、この機会を逃したくなかった。ピントが合わないまま第二接触であるブラックドロップ現象を迎えた。現像してみたら案の定、潜入時間とその数枚は写真がブレていたりピントが合わなかった。今更ながらもう少し時間が欲しかった。 第二接触ブラックドロップ現象管理者に無断での使用・複製・転載・流用禁止