武者絵のぼりのたて方 福島県のいわき市や双葉町の沿岸部では、端午の節句に男の子の健やかな成長を願って「いわき絵のぼり」を飾る。高橋謙一郎さん(68)はいわき市の工房で30年近く勇壮な武者を描き続けている。
東京電力福島第1原発事故で、避難を余儀なくされた地域住民からの注文は途絶えていたが、今年初めて注文が入った。
「震災当時から『今は無理でも後で必ず飾る』というお客さんの言葉に強い思いを感じていた。以前のように五月(さつき)の空に絵のぼりが立ち並ぶ日が待ち遠しい」。高橋さんはこう言うと作業する手に力を込めた。
鯉の滝昇り(室内幟) 辰昇作 いわき絵のぼり 武者のぼり