フィーバーは、すでにモデルとして人気のあった「渡井なおみ」に、岡広いずみ、北川まゆみの3人で結成され、シングル曲は「悪魔に口づけ」「ユーアーセクシー」など、お姉さんキャラ&ほんのりお色気を感じさせる歌声と衣装で、TVの歌番組出演などで一定の人気を得ていたようです。
ただシングルの売上は散々なようで、解散するまでに5枚発表してますが、どれも泣かず飛ばす。個人的には、どの曲も編曲がしっかりしていて、カラフルな楽器演奏が散りばめられているので、聴くたびに新しい発見があるイメージを持っています。
フィーバーの「デジタラブ」は最終シングルにして、彼女たちの最高傑作でもあり、テクノ歌謡曲史上に燦然と輝く名曲であります。私も名前だけは聴いていたのですが、実際動画で見たら、ハマリました。テクノポップっぽいピコピコ感と、スカスカなリズム、当時としては最先端と思われるボコーダー使い、なんとも愛らしい感じに仕上がっています。
作曲はムーンライダーズの鈴木慶一さん。80年当時はYMOを発端とするテクノ・ポップがブームだったこともあり、いろんなアーティストが取り入れていたのですが、フィーバーもその流れに載ってみたというとこですね。
作詞は糸井重里さん。今ではほぼ日刊イトイ新聞やゲームのマザー、コピーライターとして著名な方です。デジタラブ、デジタルとラブの造語からイメージできると思いますが、歌詞の内容は、あんまりデジタルじゃない。ある女性の優柔不断な愛する気持ちが綴られています。
このシングルを最後に解散してしまうんですが、「デジタラブ」の他にリリースしたシングル曲は佳作が多く、今の時代の耳で聞くと、なんでこんなに売れてないのか不思議なくらいです。3人はとっても美人だし、今でも通用する顔出ちです。歌もうまいし、楽曲も良い、トレンドとの相性やプロモーション戦略が間違っていたのか。ググってもあんまり情報が出てこない、かなりレア度の高いアイドルユニットです。