イビサ島は地中海のバレアレス諸島に属するスペイン領の島で、正式名称はカタルーニャ語表記のEivissaである。島の中心都市もアイヴィーサという。
イビサ島が世界中から注目されるのは、戦後この島がヨーロッパのヒッピー文化の中心となってからである。やがて1980年代終わりに、この島で息づいていたバレアリックと呼ばれる独特の自由なダンス音楽スタイルと、そのクラブシーンの享楽的な雰囲気を当時、英国で盛り上がっていたセカンド・サマー・オブ・ラブ世代のDJ達とプロモーターが発見したことにより、英国の若者たちのパーティー・アイランドとして爆発的な発展を遂げることになる。
1990年代を通してヨーロッパのクラブカルチャー、ダンスミュージックの中心地として君臨し、最新の音楽流行を求めて、世界中からクラバーたちが押し寄せることとなる。その後、島にあるクラブの巨大化と陳腐化、客層の低年齢化により、以前のような先鋭的な音楽シーンは姿を消したものの依然として欧州の若者達の最も人気な観光地である。