マオーは、スペイン、メノルカ島の都市。島の東部に位置する。マオー港は長さ5km、幅900m、天然港としては世界第二の深さを持つ。マオーの名は、ハンニバルの弟であるカルタゴの将軍マゴ・バルカにちなむ。彼は紀元前205年頃、この地を隠れ家にしていたと考えられている。その後ローマ帝国支配下に入り、町はポルトゥス・マゴニスと改名された。ローマ帝国衰退後、ヴァンダル族、東ローマ帝国が支配した。しばしばノルマン人とムーア人の攻撃を受け、最終的に903年にコルドバ太守国に占領・併合された。
1287年、ムーア人支配下のマオーをアラゴン王アルフォンソ3世が征服し、アラゴン王国の臣下マリョルカ王国へ併合した。その後もバルバリア海賊の攻撃を受けた。マオー港は西地中海有数の要所であり、スペイン王フェリペ2世はマオー港南部にサン・フェリペ要塞を建設させた。
スペイン継承戦争の最中の1708年、メノルカ島はイギリスに占領され(ミノルカ島の占領)、1713年のユトレヒト条約でイギリス領有が確定された。18世紀のイギリス支配時代、マオーはメノルカ島の首府であり、知事の住居が置かれた。1802年にメノルカはスペインへ返還され、現在、メノルカ島議会がマオーに置かれている。20世紀後半、歴史地区の一新が観光収入を財源として行われた。