日映ライブラリーより 昭和32年5月10日から蓋をあけた全日本自動車ショー。鳴物入りではやしたてられての国産品のお披露目です。一方デパートでは、自動車の月賦販売という新手が現れ、数々の新型車も、ぐんと性能がよくなりましたと宣伝しています。
扨て今日は晴れて免許皆伝の日。一ヶ月にザッと一万名からの運転手が誕生して免許証に指紋をとられても、拭いきれない嬉しさです。所で、お免状は貰っても実力が伴わないと折角の新車も台無しです。一方こわれれば、待ってましたと再製してしまう工場は大繁昌、またたくまに見違えるような車になってしまいます。
新車には、ちよっと手が出ない方は中古市へ。三万円からの格安な自動車ですが、さてどうしたものか、やっと自動車を手に入れてもその置き場所が悩みの種。ともあれ、自動車のお蔭げで檀家まわりにすっかり能率をあげるお坊さん。最近流行の豆自動車で、ドライブとしゃれこむ御婦人たち。
こうして狭い日本の町の中を、種々雑多な自動車がひしめき合っている自動車ラッシュのこの頃です。