コールサック(Caldwell 99)は、南十字座付近に見ることができる全天で最も目立つ暗黒星雲である。天の川を背景として肉眼でもシルエットを確認することができる。日本では石炭袋とも呼ばれる。
コールサックの見た目の大きさはおよそ7度×5度で、一部はケンタウルス座とはえ座に重なる。南半球では有史以前より知られていたが、初めて観測されたのは1499年、ビセンテ・ヤーニェス・ピンソンによってである。アメリゴ・ヴェスプッチにより "il Canopo fosco" と名付けられ、またマゼラン雲と対比して "Macula Magellani" (「マゼランの斑点」の意)あるいは "Black Magellanic Cloud" (「黒マゼラン雲」の意)とも呼ばれた。
1970年、K. Mattila は、コールサックが完全に真っ黒ではなく、星雲が覆っている星の光を反射し、周りの天の川に比べ10%程度の強さで光を放っていることを証明した。コールサックはニュージェネラルカタログに掲載されていない。