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Channel: スチャラカでスーダラな日々
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ブリューワー・ドブソン循環

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年平均のブリューワー・ドブソン循環
年平均のブリューワー・ドブソン循環。左目盛りは、下目盛りは緯度(-は南緯)、色はオゾン濃度

ブリューワー・ドブソン循環とは、成層圏下部で起こる大気循環のことである。成層圏循環、成層圏子午面循環、子午面循環ともいう。

赤道付近の緯度の対流圏界面付近から、南北両半球の中緯度に向かって流れる。また、南北両極から中緯度に向かってもう1つの流れがある。高度10km~30km付近で起こっている。熱帯上空で生成されたオゾンを極に輸送していると考えられている。ただし夏になっている極の上空では上昇流、冬になっている極の上空では下降流を伴い、それぞれ中層大気の冬半球向き循環とつながっている。

アラン・ブリューワー(Alan West Brewer)が1949年に水蒸気の移動パターンから、ゴードン・ドブソン(Gordon Dobson)が1956年にオゾンの移動パターンから、それぞれ発見した。

オゾンは主に、日射量の多い赤道上の熱帯成層圏下部で最も活発に生成されている。生成されたオゾンは赤道から両極に向かうブリューワー・ドブソン循環によって高緯度の成層圏に運ばれるので、中・高緯度地域の方が熱帯地域よりもオゾンが多くなる。

ブリューワー・ドブソン循環は成層圏下部にあたる高度20km付近で1年中続いているため、オゾン輸送は年中途切れない。しかし、冬に当たる成層圏には極付近に極渦というジェット気流帯があり、その南北をまたぐ熱や物質の輸送が起こりにくいので、熱の輸送が遮断されて低温になり、南極では冬の間に大量の極成層圏雲(PSC)が生成される。春~初夏にかけて、この氷の雲が融解すると同時に塩素原子が大量に発生する。PSCの表面ではオゾンの分解反応が促進され、オゾン濃度が急低下し春季にオゾンホールが発生する主因となる。一方、北極ではロスビー波の影響で極渦が南北に乱されるため、PSCの生成に至るほど気温は低下せず、オゾン濃度の低下も起こりにくい。

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