津軽地方の人々にとって「岩木山」はかけがえのないシンボルであり、古くから「お岩木山」とか「お岩木様」と慣れ親しまれてきました。 旧暦の8月1日には、「五穀豊穣」「家内安全」を祈願して、この「お岩木様」に集団登拝する行事が「お山参詣」・「ヤマカゲ」といわれている行事です。
この行事がいつ頃から始まったかは定かではありません。一説によると鎌倉時代の初期といわれていますが、現在のように形式化したのは江戸時代中期(1719年)約289年前。当時、8月1日だけは一般の人々は山に入ることが出来ず、藩主のみが登拝するものでした。 明治に入ってから、一般の人たちによるお山参詣がメインになったといわれています。
お山参詣の唱文(登山)
1.懺悔懺悔(サイギサイギ)/過去の罪過を悔い改め神仏に告げこれを謝す。
2.六根懺悔(ドッコイサイギ)/人間の感ずる六つの根元。目・耳・鼻・舌・身・意の六根の迷いを捨てて汚れのない身になる。
3.御山八大(オヤマサハツダイ)/観音菩薩・弥勒菩薩・文殊菩薩・地蔵観音・普賢菩薩・不動明王・虚空蔵菩薩・金剛夜叉明王
4.金剛道者(コウゴウドウサ)/金剛石のように揺るぎない信仰を持つ巡礼を意味します。
5.一々礼拝(イーツニナノハイ)/八大柱の神仏を一柱ごとに礼拝する。
6.南無帰命頂礼(ナムキンミョウチョウライ)/身命をささげて仏菩薩に帰依し神仏のいましめに従う。
岩木山神社には、岩木山大神という五大柱の神がある。