公益社団法人青森青年会議所 ねぶた師 立田龍宝
しかし景清はどのような仕打ちにも耐え忍び、源氏方より与えられた水すらも飲まずに、一切口を割ることはなかった。業を煮やした源氏方は、景清の妻、阿古屋と娘の人丸を景清の牢の前に連れて行き責めたてた。ここまで様々な行為に耐え忍 んできた景清だが、この卑劣な行為に怒り狂って剛勇を振るい堅牢な牢を打ち破り、源氏方に対して荒々しく大立ち廻りをして一網打尽にした。
これは分身不動 を守護神に持つ成田屋が、歌舞伎十八番之内で演じる荒事芸の一場面である。景清が戦に敗れ世間では悪としてみられても、己の正義を貫き大切なもの(誇り) を守りながら更なる発展を目指し、新たなる時代へと突き進もうとする場面としても有名である。
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