ふらいんぐうぃっち2巻の表紙は満開の桜で彩られる。例年5月に開催され、遅咲きの桜で有名な「弘前さくらまつり」の1シーンを切り取ったかのようだ。その一方で、例えば第1話冒頭に登場する何気ないバス停に代表されるような“どこにでもある”感のある描写もたっぷり。作者の綿密な取材によって、ご当地感と読者にとっての親しみやすさが違和感なく両立しているのが『ふらいんぐうぃっち』の魅力だ。
その一方で、作中では“非日常”である魔女の要素が、限りなく日常に溶け込んでいる。登場する魔法も泣き上戸/笑い上戸になったりと他愛のないものが多く、あくまで野菜作りや山菜取りなどのエピソードと同じ程度の扱い。“ふらいんぐうぃっち”というタイトルだが、定番の箒に乗って飛ぶスタイルは「長い時間飛ぶとおしりと股が痛いです」(真琴)ということで、飛んでいる描写も数えるほどだ。