クレージーキャッツデラックスは、大瀧詠一さんが監修したクレージー映画の名場面集です。歌や音楽コントだけではなく、クレージーキャッツの映画ってこうだったんですよ、という説明が過不足なく盛り込まれててしかも面白いです。映像と音楽の合わせ方、繋ぎ方が秀逸。
未納金の20万円を回収するために接待費を30万円使っちゃいました、とかっていうサラリーマン編の正調無責任節はもちろん、さらにスポーツ選手や宇宙遊泳や時代劇など、いろんなシチュエーションで、でも相変わらずの植木等さんがはじけてくれてます。
植木さんソロの「ゴマスリ行進曲」や「だまって俺について来い」は明るい調子の良さ、能天気さに癒されます。メンバーで宴会して歌う「ホンダラ行進曲」や「五万節」は、心地よい仲間意識の暖かさが感じられて、どれもこれも名曲です。
映画の名シーンの数々も紹介されています。中でも面白かったのは、「クレージーだよ奇想天外」からのシーン。谷啓さんが悪人に追いかけられて、ポンコツの車で逃げるんですけど、これがドンドン壊れていくんです。屋根が吹っ飛んでボンネットが落っこちて、ドアも外れて・・・まさかあんなお姿になられるとは・・・
「クレージーの怪盗ジバコ」!これはもう、映画を丸々一本見てしまったくらいの満足感。だいたいのストーリーが追える位まで紹介されているんです。 骨格まで変えて誰にでも化けられる「怪盗ジバコ」。正体の本体は植木さんなんですけど、クレージーの面々にも変装します。 要するに、谷さんや桜井さん、犬塚さん、石橋さんがそれぞれ、怪盗ジバコとして演技してるわけです。 特に、石橋エータローさん!美術品を前にして不敵な笑みを浮かべ・・・「もうジバコはあなた方の目の前に来ておりますよ」って嬉しそうに!ノリノリでしたね。