シベリアのチタ州シルカ市ソンツェバーヤ地区にあるシバンダ静養サナトリウムから撮ったヘール・ボップ彗星です。気温は-30℃近くもあって撮影後、すぐ宿へ暖を取りに行きました。
その翌日、極寒の荒野で皆既日食が見られました。
日時 | 1997/3/8 3:30:00 |
撮影地 | シベリア シルカ市ソンツェバーヤ地区 |
緯度・経度 | 北緯51゜5’ 東経115゜4’ |
露出 | 30秒 |
機材 | MINOLTA α-8700i |
レンズ | AF50mm F2.8 |
フィルム | FUJICOLOR 800 |
帰国後も日本では夕空に大きな尾をなびかせていたヘール・ボップ彗星ですが、近くで遊んでいた子供たちは彗星に興味すら示さなかったことがショックでした。小中高に行っている子供たちは、科学の価値や楽しさを感じられないそうです。それは理科の授業で意見発表や討論を重視したり、実生活と密接に関わっていることを解説してくれる授業をする先生が少ないことにも起因しています。
私が理科や地理が好きなのも、皆既日食と言う趣味が高じて好きになった科目です。なので、理科好きは皆既日食から起因すると言っても過言ではありません。もし月が小さすぎて皆既日食が起こらなかったら、太陽の学問はここまで発展しなかったとさえ言われています。またアインシュタインの皆既日食と言われるように、普段太陽の真後ろに隠されて見られないはずの星が太陽を起点とする重力レンズの影響で横にずれて見られる場合があります。これも皆既日食が起こらなかったら発見できないことでした。
南極など空気の清浄なところでは、今でもクリアな条件で皆既日食中に2等級の星が見えることがあります。次回の皆既日食は来年の8月21日に起こりますので、どれだけクリアな条件で皆既日食中に星が見られるかをテーマに観測したいと思います。