浜名湖は、静岡県西部に位置しており、南部は海(遠州灘)に通じている。もとは砂州によって境される淡水湖が1498年の大地震と高潮により、砂州が決壊し外海と通じ、汽水湖となった。そんな汽水湖は海水と淡水の栄養素が集まるため、魚など生物が非常に豊富で魚類338種、甲殻類59種、軟体動物84種と全国一の生物が生息しているとの調査報告がある。湖の面積としては日本で10番目の大きさ。形は複雑で、細江湖(引佐細江)、猪鼻湖、松見ヶ浦、庄内湖と4つの枝湾(水域)を持ち、これらの面積は湖全体の面積の4割に達する。このため湖の周囲長は日本では3番目の長さとなる。また、汽水湖としては日本一長い。湖の北側と南側で水深は大きく異なり、北側は深く、南側は比較的浅い。
ウナギ、ノリ、カキ、スッポンなどの養殖が盛ん。特に養殖ウナギは有名で、鰻丼(鰻飯)、ウナギボーン、うなぎパイなどの特産品がある。輸入ウナギに押される形で養殖業者、漁獲量ともに1980年代から減少を続けており、現在の漁獲は最盛期の1/3以下となっている。
浜名湖独特の伝統的な漁法であるたきや漁(獲物を光で誘引し、モリで突いて採取する漁法)も有名で、これによってスズキやキス、カレイなどが採取されている。その他、潮干狩りのポイントとしても一般に広く利用され、主としてアサリが採取される。浜名湖周辺はリゾート地として開発されている個所も多く、ボートやヨットなどのマリンスポーツも盛んに行われている。