

ジャイアント・インパクト説では従来その由来については不明確であったが、近年、原始地球-太陽の系のラグランジュ点 L4またはL5で形成され、質量が増すに連れて軌道が乱れ、原始地球に接近してついに衝突したという説がとなえられている。
衝突によりテイアは破壊され、その破片の大部分は無色鉱物に富んだ地球のマントルの大量の破片とともに宇宙空間へ飛び散った。テイアの鉄のコア(中心核)の大部分はすぐに原始地球に落下してその一部となり、これで今日の地球が大きな鉄のコアを持つことになった。衝突は正面衝突ではなく斜めに衝突したためにかなりの量の破片が地球の周囲を回る軌道上に残った。軌道上の破片は一時的に土星の環のような円盤を形成したが、やがて破片同士が合体していき月が形成されたと考えられている。
