ヒペリオンは、土星の第7衛星。ハイペリオンと表記されることもある。ギリシア神話におけるティーターンの一人ヒュペリーオーンから名づけられた。土星の8番目に大きい衛星である。
土星からの平均距離は148万1100km。公転周期は21.3日だが、自転周期と自転軸は不規則に変化する。直径は190-364kmで、太陽系で2番目に大きな非球形天体。表面には無数の深いクレーターが存在してスポンジのように見え、他には知られていない特徴的な外観を有している。古いクレーターの底の多くには他の表面より暗い物質が堆積している。
1981年、ボイジャー2号がヒペリオンのいびつな形を初めて間近に観測したとき、予想されたものとは違ってその最も長い軸は土星を向いていなかった。いびつな形にもかかわらず、多くの衛星で見られるように潮汐力によって同じ側を母星に向けて公転しておらず、自転周期が公転周期と異なることが判明した。