金星は、太陽系で太陽に近い方から2番目の惑星。地球に最も近い公転軌道を持つ。地球型惑星であり、太陽系内で大きさと平均密度が最も地球に似た惑星であるため、「地球の姉妹惑星」と表現される。太陽系の惑星の中で、最も真円に近い公転軌道を持つ。地球から見ると金星は明け方と夕方にのみ観測でき、太陽、月についで明るく見える星であることから、明け方に見えるのが「明けの明星」、夕方に見えるのが「宵の明星」という。
金星の赤道傾斜角は177度。金星は自転軸が完全に倒立しているため、他の惑星と逆方向に自転している。地球など金星以外の惑星では太陽が東から昇り西に沈むが、金星では西から昇って東に沈む。金星の自転がなぜ逆回転をしているのかはわかっていないが、おそらく大きな星との衝突の結果と考えられている。逆算すると金星の赤道傾斜角は3度ぐらいしか傾いておらず、自転軸が倒立しているとは言え、軌道面に対してほぼ垂直になっていることになる。このため地球などに見られるような、気象現象の季節変化はほとんどないと推測されている。
金星の自転速度は極めて遅く、地球の自転周期が1日であるのに対し、金星の自転周期は地球時間で243日かけて一回転していることになる。