ソコトラ島は、超大陸(ゴンドワナ大陸)の分裂でアデン湾が形成した2300万年~500万年前にアフリカ大陸から分離したと考えられている。苛酷な気象条件の下で動植物が独自の系統的進化を遂げ、イエメン本土のあるアラビア半島とは異なった生態系を形成しており、固有種率は極めて高い。そのため「インド洋のガラパゴス」とも呼ばれている。地球温暖化による環境変化や人間による開発などのため、数百種が絶滅を危惧されている。
印象的な独特の樹形で知られる竜血樹をはじめ、世界で唯一のウリ科の樹木、幹が巨大な徳利状になり貯水の機能を果たす、乳香を生じる、原始的なザクロの一種など、植物に独自の進化を遂げたものが多く、これらが作り出す独特の景観が島の観光資源ともなっている。鳥類や昆虫、クモ類など、これら植物とともに暮らす動物の固有種も多い。