ニセアカシアは、北米原産のマメ科ハリエンジュ属の落葉高木。ヨーロッパや日本など世界各地に移植され、野生化している。日本には1873年に渡来した。用途は街路樹、公園樹、砂防・土止めに植栽、材は器具用等に用いられる。季語は夏である。一般的に使われる名称であるニセアカシアは、種小名のpseudoacacia「偽のアカシア」を直訳したもの。
緑化資材として、ハゲシバリの別名で知られる。マメ科植物特有の根粒菌との共生のおかげで成長が早く、他の木本類が生育できない痩せた土地や海岸付近の砂地でもよく育つ特徴がある。このため、古くから治山、砂防など現場で活用されており、日本のはげ山、荒廃地、鉱山周辺の煙害地などの復旧に大きく貢献してきた。北海道では、耕作放棄地、炭鉱跡の空き地などの管理放棄された土地がニセアカシアの分布拡大の一因となっている。
近年、本来の植生を乱すなどの理由で、緑化資材に外来種を用いることが問題視されているが、ニセアカシアの利点を備え持つ樹種は少ないことから、代替資材の選定が困難なものとなっている。ただ、その強い生命力ゆえのマイナス面も存在する。一度、ニセアカシアを植樹してしまうと抜根や薬剤注入をしない限り除去が困難になること、また高木化するため薄い土壌の斜面に植樹した場合、極めて倒れやすくなることなどの性質があり、これらを良く理解して導入する必要がある。