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Channel: スチャラカでスーダラな日々
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これで日本も安心だ!

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これで日本も安心だ!/植木等

これで日本も安心だ!「これで日本も安心だ」は、萩原哲晶の最後の作曲だが、編曲は宮川泰である。しかし、この曲こそクレージー・サウンドの秘密を解くカギが秘められている。

この曲を最初聞いたときに、あまりの青島幸男の歌詞の馬鹿さ加減に(良い意味で)、「こんな隠れた名曲が…」と喜んだものだ。

今の若い人は 嬉しいね
親に連れられ 入学入社
独身貴族を 決め込んで
仕事 たのめば~
「無理です」 「駄目です」 「出来ません」
    (中略)
フンニャラカ フンニャラカ オラ知らねぇ
…これで日本も安心だ

まさに青島節絶好調で植木等の歌い方も聴衆を完全にナメ切った味があり、まさに空前絶後の名曲名唱・・・と言う訳にはいかず、次第にげんなりしてきてしまった。

これは青島氏の詞の問題で、この歌の中で歌われているC調を決め込んでいるおきながらスイスイ出世して行く人間を肯定していたのが今までのクレージーソングではなかったか?「会社に入ってからは デスクでじっとしてるだけ」「居眠りしながら ●●●判」的人間を否定することになる。これでは自己矛盾である。

実は「これで日本も安心だ」は、滅茶苦茶分別くさい歌なのである。前述したとおり青島節は絶好調であるが、絶好調であればあるほど大衆の感覚からずれていってしまう。もはや「お呼びでない」と言う事なのだろう。職業的な作家ではない分、バランス感覚を一度失ったら致命傷である。

この歌は結局、「今の若いやつはわかんねぇよな」という歌である。一世を風靡した無責任男がイッチョ前の大人になったのだ。「スイスイ~スイダラダッダ~♪」と歌っていた人間が立派な社会人になったと言う事だろう。それはすごく立派なことだ。そういう若者に首を傾げる「今時の大人像」を、青島/萩原(編曲)コンビで聴きたかった。

DUMB伊藤さんの記述に共感したので、掲載されていた記事を一部抜粋しました。

「あんた誰?」谷啓

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