新幹線の開業によって、並行在来線がJRから経営が切り離され第三セクター鉄道会社へ移管されることにより、夜行列車の経路によっては、第三セクター鉄道会社経由で運行を避けられなくなる。
西鹿児島駅まで運行された「なは」は、九州新幹線開業に際して転換された肥薩おれんじ鉄道に乗り入れを行わず、熊本駅までに運行短縮。その4年後には廃止された。上野駅から青森駅を東北本線経由で運行されていた「はくつる」は、東北新幹線の盛岡 - 八戸間開業時の2002年11月に廃止されている。
また「能登」は長野新幹線開業時に並行在来線が横川駅 - 軽井沢駅間で第三セクターに移管することなく廃線されたため、上越線経由に変更されている。2014年現在第三セクター鉄道会社に乗り入れている夜行列車は、IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道を通過する「北斗星」・「カシオペア」のみである。また「トワイライトエクスプレス」は、北陸新幹線開業に際して移管する第三セクターに乗り入れる前に廃止が決定した。
1996年12月25日の「整備新幹線の取扱いについて 政府与党合意」では「建設着工する区間の並行在来線については、従来どおり、開業時にJRの経営から分離することとする」とした上で「鉄道貨物輸送については、並行在来線のJRからの経営分離後も適切な輸送経路及び線路使用料を確保することとし、新幹線鉄道上を走行することを含め、関係者間で調整を図る」とされており、貨物列車とは異なり夜行列車に関しては合意がされていない。