とらえられたスクールバス〈後編〉 (1983年) 昭和58年初版
「本能寺の変」を阻止しようとしている者がいる!?もしそんなことになれば、歴史は変わってしまい、未来の日本の姿も違ったものになる。信夫たち五人も、元の世界へ戻れなくなってしまうかもしれないのだ。歴史の流れがすでに微妙に変わりつつある中、時空を超えた闘いが始まった!果たして歴史の改変は防げるのか、そして五人の運命はどうなるのか?歴史冒険SF、ここに完結。
もし本能寺の変が起こらなかったら・・・そんな架空の時代が眉村卓独特の世界観で描かれています。それを阻止して元の時代に戻すため、主人公達の奮闘する様子が事細かく描かれています。普通の人にとって時間の流れは鉄道のようなもので滅多に踏み外すことのないレールのようなもの。ところが眉村卓の世界観では時間を飛び越える次元を飛び越えるタイムマシンが完成して、歴史を改変するものを防ごうと次元パトロール隊がいつの時代にも存在します。それ以上のあらすじは、この小説を読んでいただいた方が良いでしょう。
今年は久々にTVで眉村卓作品が見られるとあって、6~7年に一度しか見ないとらえられたスクールバスをまた通して見ると思います。「時間流の流れは複雑で、一度改変が起こった時点から無数の流れが発生する」・・・このような調子でその時代を統括するタイムパトロール隊員が語る話に自然と引き込まれてしまいます。