『ねらわれた学園』は、1981年7月11日に角川春樹事務所が製作、製作協力にオフィス・ヘンミ、東宝の配給により公開された日本映画である。眉村卓の少年少女向け小説『ねらわれた学園』が原作。角川映画のアイドル路線および大林宣彦の”大林ワールド”と呼ばれる独自の映像スタイルを確立させた作品。
脚本家としてクレジットされている「葉村彰子」は、逸見稔を中心とした創作集団のもつ共同ペンネームである。逸見は、長年テレビドラマ『水戸黄門』を手がけてきたプロデューサーであり、本作公開の前年1980年に設立され、本作の製作プロダクションとなった製作会社「オフィス・ヘンミ」の社長であった。
制作に際しては、関耕児役を「薬師丸ひろ子の相手役募集」として一般からのオーディションで選ぶこととなり、当時慶應義塾高等学校在学中の高柳良一が選ばれて映画デビューを果たした。このとき、最終オーディションまで残った一人に中川勝彦がおり、同級生役で出演している。また、後に川島省吾(現:劇団ひとり)と漫才コンビ「スープレックス」を結成する秋永和彦が子役として出演している。有川正彦役で現在ヴィジュアリストの手塚眞が出演している。乳母車の赤ん坊の役で、大林宣彦の姪の大林万里江が出演している。
ストーリー
関耕児が通う阿部野第6中学校で生徒会役員選挙が行われようとしていた。阿部野第6中は進学校といわれるだけあり、生徒たちは熱心に勉強していたが、部活動さえ低調になるほどの勉強重視の雰囲気からストレスを感じ、いたずらなどの問題行動を起こす生徒も少なくなく、校内の風紀は乱れつつあった。だが、高見沢みちるという一人の女子生徒が会長職に就任したことをきっかけに変貌が始まった。彼女は圧倒的な実行力で生徒会を支配し、反対者を不思議な力で抑えつけていった。そして、学校の風紀を取り締まるという名目でパトロール委員を新設し、学校を実質的に支配し始める。やがて耕児はある出来事をきっかけに高見沢みちるの強引なやり方に反感を持ち、楠本和美らクラスメイト達とともに生徒会に戦いを挑む。その途中で、高見沢みちるの「超能力」や彼女が超能力を学んだと思われる「英光塾」という奇妙な学習塾、そして圧倒的な力を持つ謎の少年・京極の存在が浮かび上がってきた。
薬師丸ひろ子の顔写真が一面に映ったねらわれた学園の単行本は今でも持っています。それが眉村卓作品。もう一度見たいものです。