M84(NGC4374)はおとめ座にあるレンズ状銀河である。1781年にメシエによって発見された。メシエは「M84は星のない星雲で、中心部はかなり明るく、やや星雲状物質にとりかこまれている。明るさや外観はM59やM60に似ている」としている。彼は、同一夜に一気におとめ座銀河団の銀河7つを発見して、メシエカタログに加えた。
口径10cmの望遠鏡では隣のM86と共に見える。いずれも楕円に見えるが、M86の方がより楕円に見える。またM84の方が明るく小さく見える。口径20cmでは存在がはっきりと分かり、2つの銀河の他にNGC4388、NGC4435、NGC4438などの暗い銀河も見え始める。M84の中心には小さなジェットが出ている。1997年ハッブル宇宙望遠鏡がこれを観察した。M84の中心は太陽の3億倍の巨大ブラックホールがあるとされる。